『龍が如く0 誓いの場所』 感想 ※ネタバレ含みます

とりあえずメインストーリーが終わったので一旦、感想を書いてみようと思います。まだサブストーリー39%くらいなんで、そっちを回収してもう少し楽しみます。あと周回プレイも後々。

今回プレイした「龍が如く0 誓いの場所」ですが、私にとって初めての龍が如くシリーズでした。

元々ヤクザモノのVシネマが好きで、漫画も殺し屋1なんかがとても好きなので、気になっているタイトルではあったのですが!!!

既に龍が如くシリーズは現時点(2015/10/16)で、ナンバリングだけでも5作品出ており、手を着けるにしては中途半端な気がして避けていました。

それがPS4の値下げを受けて、龍が如くに手を出さざるを得ない状況になりまして、いや勝手にそう思いまして、ついに龍が如くデビューを果たしました。イェイ。

何の前情報もなく――――いえ、ただ一つだけ知っている情報がありました。それは今作で桐生一馬と共に主人公を務めた「真島吾朗」と言うヤクザがかなりイカレてる男だと言うこと。

それだけを頭に置いてプレイした私の想像を良い意味で裏切るゲームとなりました。

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ゲーム内容

物語

「龍が如く」より17年前に遡る。時代は1988年12月。バブルと言う欲にまみれた東京の街・神室町。その一角にある小さな隙間のような土地「カラの一坪」を中心に物語は進んでいきます。

バブルという時代がどんなものだったのかすごく興味があったので、この時代が舞台だった事もゲームを好きになる要因になりました。男も女も見栄を着飾り、虚栄の富に舞い踊る。まさしく泡。

キャラクター

桐生一馬

実に熱く、そして優しさという強さを持っている芯の強い男。ただ、やや天然なのか鈍いところもあり、特に女性に対するむっつりスケベ具合には腹立たしさも云々。それでも情に厚く、男が惚れる男だと思いました。いや、女性も惚れるかと思いますが。立華不動産の社長が堂島組の拷問の末、死亡した際に流した涙が印象的でした。彼のために妹であるマコトを守り通すと誓い、それを本当に実行してしまう人間と言うのは素晴らしさを通り越して恐ろしさすら感じました。真っ直ぐであり、頑固。薄汚れた世界に生きながら、騙されてしまう事を恐れず人を信頼することができる。それがこの桐生一馬というキャラの本質であると見たり!良い奴だけど、敵に回すと怖いタイプでしょうね。

バトルスタイルはずっとチンピラ一択でした。壊し屋はほぼ投資せず。まだ周回プレイしていないので、まだまだ遊びつくしてやろうと思います。

真島吾朗

もう一人の主人公。正直、真面目でユーモラスがあって、これが一体どのタイミングで狂うのか。そればかりが気になっていました。桐生一馬より、真島の方が強く育ち、ダンサーでずっと無双してました。私が尊敬する人ベスト5に、ダンサーが入っているので、これはもう使わずにいられるかいな!と言うことでダンサー、ダンサー、ダンサーと使い倒しました。足ワザがかっこ良くて、つま先の尖った凶器のような靴で竹内力さんをボッコボコにしてしまって……好きな俳優なので少しだけ悪い気がしました。ミナミの帝王がすごく好きなので、このゲームは本当に楽しかった。
この真島吾朗については、熱い想いが溢れすぎているので後でダラダラと語ろうと思います。24時間シンデレラが好き過ぎてiTunesからDLしました。

マキムラマコト

今作のヒロイン。彼女の生い立ちや尾田にされた事を考えると言葉も出ませんが、一言で言うならば「純粋すぎる罪」だと思います。純粋であることを悪いとは思いませんが、何でも度が過ぎれば毒になる。悪気のない牙を剥いて、一人の男を狂わせる材料になり得るのだと思うのです。よく男にとっての女は魔女だと例えられますが、まさにそんな事を考えました。本当に愛する女に男が出会った時、流れに飲まれる己の無力さを知るのです……

ストーリーでは、丁寧にマコトに対する真島の心理が描かれていたので、感情移入した私は愚かにも悶え苦しむ結果となりました。「なんでや!なんでなんやマコト!」そう心でどれだけ叫んだことか!あ、叫んではないかも!でも、それくらいにもどかしい気持ちが湧き上がりました。

惚れた女の幸せを願って立ち去るということ……本当もう身が千切れる程に辛いから、自分の遠い記憶と重なって涙止まらん事になってしまいました。マコトはあの医者の先生ときっと幸せに暮らしていると思っています。

その他のキャラクター

他にも魅力的なキャラが多かった。何度も立ち向かってくる久瀬に「KUZEE!!UZEEEE!!」と思ったり思わなかったり。西谷の岸谷感。世良の渡辺感。そしてビリケンの泉谷感に、尾田の羽賀感。探せばキリのない見たことある人に似ているキャラクター達。映画を観ている感覚でプレイ出来るので、Vシネ好きには堪らんと思います。

因みに、主人公以外で好きなキャラクターは、ユキちゃんと柏木さんです。ユキちゃんは可愛すぎてキャバクラ経営めっちゃ頑張りました。他にもセクシー女優がたくさん出てきます。自分も好きな女優が出てたのでテンションあがった。実は公式サイトの投票参加したとかしてないとか。

バトルだけでなく、大人の男にも楽しめるADV要素が満載です。

シノギ、ミニゲーム、サブストーリー

たくさんのミニゲームがあって、本当にプレイヤーを長い時間楽しませてくれるなと思いました。ミニゲームで好きなのは、カラオケとボーリング、ダーツ、あとはディスコ。セガのゲーセンは懐かしかったな。UFOキャッチャーはすごく取れるので面白かったですね。アームの強さは非現実的(笑)

シノギは不動産でたくさん稼いで、キャットファイトで散財。キャバクラ経営は稼げる金額があまり多くないですが、なんか面白いのでやってしまいます。特にオバタリアンのトークの腕が素晴らしく、真島の唇を奪っただけあって人気キャバ嬢として君臨しています。只者やないで!

サブストーリーはビニ本という自販機で売られているムフフな本を少年の代わりに買うミッションがアホ過ぎて面白かった。アンジャッシュのコントのような桐生のテレクラも面白かったです。5000円でムスコをどうしてもらおうとしたんですかね…すけべ心はアダとなる。このゲームにはそんな事を教えていただきました!

真島の悲恋

真島吾朗とマキムラマコト

「桐生一馬と真島吾朗と言う極道がどのようにして誕生したのか」というストーリーでしたが、物語の軸にあったのは真島吾朗の悲恋だったように思います。ゲームを最終章まで終えた今、真島JINGIの24時間シンデレラを聴くと、切なさが胸に溢れます。「切ないのう、切ないのう」と連呼しながらこの私がゲームをするなど誰が考えられたでしょうか。自分の境遇と真島の境遇とが重なって見えた所が一番の原因だとは思いますが……

真島は近江連合の佐川から「マキムラマコトを殺せ」と依頼を受け、殺し屋としてマキムラマコトに会うわけですけれども、安心して眠りに就くこともままならない生活の中でどれくらいかぶりにグッスリ眠れた…………それがマコトのマッサージの最中だったわけですよ。本当に丁寧にマコトと真島の関わりが描かれているので、真島の心境の変化がとてもよく分かりました。結局、殺し屋としては禁忌である「獲物への情」が湧いてしまい、殺すことが出来ないだけでなく、自分がマコトを守ると誓うようになるのです。そこで思ったのが、桐生に負けず劣らず真島と言う男も実直だなと。それ故に嶋野にその心を利用される。だけど、それすらも受け入れる真島は男だなと胸が熱くなりました。守ると決めた女の為に道化になる事も厭わない。その姿勢は格好良いですよ。普通に。好きだから、惚れているから、だから隣にいて守る……だけが愛じゃない。仄暗いドブ川の底のような場所で生きている人間にしか出来ない守り方を彼はしようとするわけ、ですが!あのシーンはきつかった。屋上でマコトに堂島組の復讐を依頼されるシーン。正直、惚れた女の為になら何だってしてやりたいですよ。それが殺人であれ、己を危険にさらす事であっても。断る真島の切なさに思わず顔が歪みました。

短い時間でもマコトに対する真島の想いは本物の輝きを見せるわけですけども、結局真島は極道の世界に戻ることになり、マコトの側に居られないと挨拶もなく去っていく。だけど、彼女が「捨てないと強くなれない」と言った時計を大切に持っていて、最後カラの一坪の地面に埋めていた演出は憎いですよね。引き際の美学。男の価値とは引き際にこそ現れる。私はそう思うのです。

感想

いやあ、本当に面白かった。大人の男だからこそハマる。そんなゲームだったように思います。女子供にはまだまだ早いぜ、と先輩風を吹かせたくもなりますが17歳以上の全ての人におすすめできるゲームだと思います。でもやっぱり酸いも甘いも噛み分けた大人だからこそ、この物語の良さも分かる気がしますし…。

まあ、色々書きましたが龍が如く極では、極道としての桐生一馬と狂犬である真島がどのようにぶつかり合うのか楽しみです。主人公が魅力的であることは大前提ですが、ライバルや敵が魅力的である事が何よりも作品にとって大事だなと思いました。趣味でゲーム作っている人間としては、プロってすげェ!その一言に尽きますね。

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